Orrery / 日本標準時 UTC+9
日本の時計は北緯35度・東経135度、明石の太陽に合わせてある。 けれど太陽は札幌では25分早く、那覇では29分遅く南中する。 時差のない国の中に、55分の時差がある。
地軸は 23.44 度傾いたまま、公転しても向きを変えない。 だから半年ごとに、太陽に向く半球が入れ替わる。季節はここから生まれる。
日没の瞬間を日本全体で見ると、境界線は経線と平行ではない。 夏は北東へ、冬は南東へ傾く。だから「西だから日が遅い」だけでは説明がつかない。
東京と福岡の南中差は、年間ずっと 37 分で動かない。経度の差 9.3 度がそのまま時間になる。 ところが体感する差は、日の出と日の入りで別々に動く。
| 日 | 日の出の差 | 日の入りの差 | 南中の差 | 昼の長さ |
|---|---|---|---|---|
| 春分 3/21 | +37分 | +37分 | +37分 | ±0分 |
| 夏至 6/21 | +43分 | +31分 | +37分 | −12分 |
| 秋分 9/23 | +37分 | +37分 | +37分 | ±0分 |
| 冬至 12/22 | +32分 | +43分 | +37分 | +11分 |
福岡が東京より何分遅いか。プラスは福岡が遅い。昼の長さは福岡−東京。
夏至の福岡は、日の出が東京より 43分 遅いのに、日の入りは 31分 しか遅くならない。 緯度が低いぶん昼が短く、その分が朝に寄る。
西にいるから遅い(経度の効果、37分で一定)と、南にいるから昼が短い(緯度の効果、季節で符号が変わる)。 二つが朝と夕で足し引きの向きを変える。
冬至は逆。日の入りが 43分 遅れ、昼は東京より 11分 長い。 西日本の冬が「夕方が長い」と感じるのは気のせいではない。
同じ時計を見ている。違う太陽を見ている。
しかも、その「一番早い日」は場所によって10日ずれる。 地球の軌道が楕円で、地軸が傾いているため、太陽の南中時刻自体が年間 ±16分 揺れる(均時差)。 その揺れと緯度が掛かり合う。
| 地点 | 日の入りが最も早い日 | 日の出が最も遅い日 | 昼が最も短い日 |
|---|---|---|---|
| 那覇 | 11/30 | 1/12 | 12/21 |
| 福岡 | 12/4 | 1/8 | 12/21 |
| 大阪 | 12/5 | 1/7 | 12/21 |
| 東京 | 12/6 | 1/6 | 12/21 |
| 札幌 | 12/9 | 1/3 | 12/21 |
「冬至が一番日が短い」は、昼の長さでは正しく、日の入りでは間違い。 そして間違い方は、住んでいる場所によって違う。